2009/11/01

繁殖チェックにワザあり

乳牛の繁殖で大発見

イソジンは有効、PGはワザあり、蓄膿は望み薄


「フレッシュチェック」ってご存じですか? 最近はどの農場でも始めた分娩後の特に繁殖機能に関する健康チェックのことだ。分娩した6,900頭の乳牛の個別データを集計して、治療の経過を調べたところ驚くべき結果が判明した。  


1. 分娩後フレッシュチェックで正常な子宮・・・42% 
2. 子宮へイソジン注入をして治療した牛・・・39% 
3. PG処置をした牛(注1)・・・・・・・・・・13% 
4. 子宮蓄膿症で治療した牛・・・・・・・・6%  


( 注1) : PG処置は分娩後のフレッシュチェック時に子宮内膜炎で黄体がある場合、子宮内膜炎に対する治療 

統計とはすごい!頭数が頭数だけに試験場で行う規模の小さなデータ取りよりも傾向がはっきりと掴むことができる。集計してみないと明らかにならないことも判明する。酪農の現場でも単に治療の記録をしたり、その記録を保存するのは簡単だが、それぞれの個体のその後の経過を系列ごとに分析するにはよいコンピュータ・プログラムが不可欠だ、DairyComp305を使い倒す獣医ならではの発見である。データは過去5年間の21戸の農場の繁殖記録を集計したものだ。  


最近は子宮へのイソジン注入はあまり薦められていないそうだがデータを見る限り、繁殖成績は子宮が正常の牛とほとんど変わりがない。つまり、子宮に異常があったのにイソジン注入によって子宮が正常に回復したことを証明している。 もっと驚くことは、PGで処置をした牛の繁殖成績がもっとも優れている点に注目しなければならない。正に「ワザあり」。初回種付けの日数も、空胎日数も短く、繁殖での淘汰率も一番低い。ただ、どんな時に、どういう牛にPG処置をするかは獣医師による判断なので、目くらめっぽう打てば良いわけではないだろう。データを分析したのは藤原宏樹獣医(石井動物病院) 2009年共済近畿発表会で全国代表に選ばれた。


「蓄膿は望み薄」とはいっても65%以上の牛が受胎するので、受胎までの日数が長くなるのは致し方ないのかも知れない。或いは牛の体形に由来する確率も疑われるので、牛の選抜、改良がすすめば、およそ牛群の6%の問題はもっと軽減される。

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