ではなぜ細かくするのか
1. TMRは細かい方が沢山食べる
2. 選び食いができなくなる
3. 速く切れるとトラクターの燃費を節約できる
以上3点は正しい観察だ。だが「牛が沢山食べるのはよいことばかりだろうか?」Nサービスが全国で一斉に実施したダイジェスション・アナライザーの分析結果を集計して意外な事実が分かってきた。
TMRが細かいと消化がよいか?・・・・No
粗飼料が多いと消化が悪いか?・・・・No
糞を洗浄して残渣を調べるアナライザーは、これまで証明できなかった疑問を明らかにした。「牛がたくさん飼料を食べるのは飼料の通過が速いことを証明したが、実は、消化がよい証明ではなかった」消化がよい証明はアナライザーの一番上の目の粗いスクリーンの残渣が10%以下の時だ。(分娩後間もないフレッシュの牛はハンディが与えられ20%以下)
ひいき目に見ても細断長と消化率は正比例しない。
消化のよいTMR
消化の低いTMR
群のなかで平均的な牛の糞の「目の粗い残渣が10%以上」の時、次の原因が想定される。
1. TMRが細かすぎる
2. 消化率の低い粗飼料を給与している
3. アシドーシス
4. 粗飼料の変化
5. サイレージの発酵品質に問題
6. 粗脂肪が多い
好成績をあげているP農場を訪ねた時、TMRのミキシングは飼料の投入終了と同時に終わるので、「何分混ぜるの?」と聞いたところ「混ぜたらすぐ牛舎!」と答えが返ってきた。
TMRが細かいと間違いなく摂取量は増える。しかし摂取量が増えても乳量に反映しないTMRは、只単に通過時間が速まるのみで消化率がよくなるわけではない。乾草を提供する側はその品質を問われないため細かくカットすることを薦めるが、もともと消化のよくない粗飼料はいくら食べても栄養にはならず、糞として排出される。
一番上のスクリーンにどっさりと残渣が残るのは、消化器内を速く通過した未消化物だ。結局、細かすぎるTMRはトラクターの燃料を浪費し、アシドーシスを誘発するだけだと熟練酪農家は語った。
結論として、飼槽に残る嗜好性のよくない粗飼料は細かくカットして牛の腹に入れたとしても栄養として有効に利用されることはないのだ。「堅い粗飼料がルーメンの機能を活発にする」という伝説はもう何年も前に否定された。やはり、消化のよい粗飼料が牛群の成績にプラスとして貢献し、だましのテクニックでは牛の消化メカニズムを変えることはできなかった。スクリーニングでの証明はカットの長さよりもルーメン発酵を補助する添加剤の方に軍配が上がった。

