カリフォルニアの農場では、或る変化が起きている。90ポンド(40kg)以上だった1頭平均の乳量が80ポンド(36kg)台になった。これは日本の優良農場と比べても生産量は互角だ。実力では乳質を厳しく問われる日本の酪農の方がその上を行っているかも知れない。
乳量低下の主な原因はBST使用の中止だと思われる。あれだけ安全だと宣言したホルモン投与の中止が消費者のためかと言うと、そうではない。カリフォルニアでは現在ミルクを処理する施設の能力が限界で州内では間に合わない。遠くは、州を跨いでテキサスまでミルクを運ぶことさえある。ミルクをメーカーへ有利に販売するため出荷組合が自主的にBSTフリーの宣言をしているのだ。ミルクが売れなければ元も子もないので、農家は渋々サインをする。その替わりミルク1キロ換算で約1円のペナルティを免れる。
ミルクの生産者価格はキロ当たり30セント(27.6円)だから、BSTを使えば8ポンドのミルクを得られ1頭あたり100円の収入増が見込めるが、36円で我慢する。という構図となっている。
